地球温暖化による異常気象が世界的規模で発生しています。もともと北海道のように比較的自然災害の少なかった地域では、気象変動の影響は、それだけ大きく響きます。 北海道で我々が直面しなければならない自然災害は、
などで大変多くあります。 特に異常気象は温暖化により地球の気象に影響を与える種々の要因のバランスが、大きく崩れることです。その影響は、高温から低温へ、大雨から干ばつへと両極端に振れることが当然予想出来ます。 地震、噴火、津波については、既に専門家による多くの予想があり、企業リスクの立場からは、そこにある脅威として受け入れざるを得ません。
自然災害の問題点は、いつ発生するか分からないこと、その破壊力はある程度推定出来るものの、予想を超える可能性のある事を考えておく必要があります。 しかし、それらの企業への直接被害の程度は、企業の立地条件によりある程度予想できます。
自然災害は、企業への直接被害だけではありません。インフラへの影響が甚大です。企業にとって大きな脅威は、サプライチェーンへのダメージです。 このほか、海水温度の変化による漁業への影響はすでに大きく出てきており、干ばつ、寒波等は、農作物、酪農に大きな影響を与えます。これは、食品製造業に深刻な影響を与えます。
自然災害への対策は、その脅威にほとんど抵抗できませんから、基本的には、災害の脅威をそのまま受け入れ「レジリアント」な企業(復元力のある企業)を目指す以外にありません。
自然災害リスク対策の主役は、リスクの軽減ではなく、リスク回避と再建です。企業経営からは、効率を求める集中ではなく、分散が、基本的な戦略になります。
具体的には、
等の対策です。
工場の移転といっても元々は、理由があって立地されたものですから、それなりに合理性があり、また、移転には資金も掛かることですから、次善の策が必要です。 対策は、財物リスクで考えた軽減策に加え、可能であれば保険等へのリスク移転を検討することになります。
ソフトの分野では、BCP(事業継続計画)の立案、事前準備が必須です。
これが、企業の明暗を分けるといっても、過言ではありません。 BCPの作成は、外部コンサルタントに依頼してもあまり意味がありません。災害発生の時に、自分たち自らが災害発生時に時間を置かずほとんど反射的に動くための計画だからです。経営者が率先して、作業委チームを作り、災害を想定し、復旧・再建のために、経営資源の内の何を守り、何を諦めるかを決める。守るべき資源をどの様に守り、復旧・再建に繋げるかの大筋を決めておくことです。どのような計画を作成するかは、企業規模、業務の内容等により違いが出ますが、重要なことは、実行可能な計画を立てることです。いざと言う時に利用できないような詳細で立派な計画は、意味がありません。
また、一度立てた計画を組織の改編、人事異動、業務内容の変化等に応じて常に見直し、組織内に周知し、実行可能な状態にしておくことが肝要です。